二十四節気の香りとともに
- candle te ao te po
- 10月13日
- 読了時間: 2分

kotoのキャンドルは、日本の四季を繊細に映し出す「二十四節気」をテーマに、
それぞれの節気に寄り添った香りをお届けしています。
春夏秋冬、そしてその合間に移ろう季節の気配。
かすかな風の変化や、土の匂い、空の色……
そうした小さな揺らぎに耳を澄ますように、香りを一つひとつ丁寧に仕立てています。
私の実家は、瀬戸内海の近くの小さな町で農業を営んでいました。
暮らしのリズムは、いつも季節の移ろいとともにありました。
水がぬるみ、草が芽吹く春のはじまり。
川の流れが豊かになる頃には、籾まきの準備がはじまります。
夏には光と風を感じながら、稲がぐんぐんと育ち、
秋には稲穂が揺れ、冬には土が静かに眠りにつく――
自然とともに生きる農の暮らしは、まるで季節と会話をしているかのようでした。
子どものころの私は、家の裏に座って、
田んぼの向こうの海に沈む夕日を、ただただ眺めていました。
陽の光や風のにおい、空気の温度の変化から、
言葉にできない「季節のかけら」を感じとっていたのかもしれません。
大人になり、東京で暮らすようになってから、
ふと、あのときのような季節の気配を感じる機会が少なくなっていることに気づきました。
忙しさの中で立ち止まることもなく、
季節は知らぬ間に通り過ぎていく。
そんな日々に、ふと香りが心をとらえ、
一瞬だけ、あの頃の風景がよみがえる――
そんな体験が、kotoを生み出すきっかけとなりました。
季節を灯す、
香りで綴る。
それが、kotoのコンセプトです。
キャンドルの炎は、空気や湿度によって色合いが変わります。
香りもまた、気温や心のありようによって、ふと表情を変えます。
慌ただしい日々のなかで、
その灯りと香りが、深呼吸のように心にやさしく寄り添えたら――
ふと季節に立ち返る、そんなひとときをお届けできたらと思っています。
何気ない日常に、そっと寄り添う。
日本の四季の細やかな美しさを、香りにのせて。
それが、kotoの願いです。
















